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【鬼滅の刃】屋烏之愛

第6章 素直 後編【※錆兎】





押し倒した陽華の上に、四つん這いに覆いかぶさると、錆兎はあともう一つ、二人の間に残ってる暗黙のルールの謎について、迫った。

「もう一つ、聞いてもいいか?…なんで、必要以上に触るのを嫌がるんだ?……さっきだって、あんな嫌がって…、」

「だって、ああいう時って、私が一方的に責められて、錆兎はそれを見てるってことでしょ?……そんなの恥ずかしくて……耐えられないもの。」

そういう理由か。真実を知ってしまえば、どれもこれも全部、陽華の恥じらいから来てるもので、その全てがいじらしく感じてくる。

「……それにさっきは、錆兎がいつも違って…怖かったから…、」

「…うぅ…それは、本当に済まなかった。本当に嫌われてるんだって思ったら、苛ついて、焦って、本当に…情けないところ、みせちゃったな。」

そう言って、錆兎は苦笑いを浮かべた。

今しがた、恥ずかしいところを見せられなくなったと言ったばかりで、それを自分にだけは見せてくれたんだと、陽華は少し、嬉しくなった。

陽華が嬉しそうに微笑むと、錆兎も微笑みながら、優しく陽華の頭を撫でた。

「でも、安心しろ?今度は優しくする。俺が本当に、お前の事が好きなんだって、今からたっぷりとわからせてやるからな。」

そう言って、軽く口づけると優しく陽華を見つめた。

「陽華……好きだ。」

「……っ、」

錆兎に返事を返そうと、口を開き掛けるが、恥ずかしくてまだ言葉が出ない。陽華が戸惑っていると、錆兎が気づいて、その唇を指先でそっとなぞった。

「いい、言わなくて。…恥ずかしいんだろ?……でもいつか、お前から言わせてみせるから、覚悟しとけよ?」

錆兎がニコッと笑うと、陽華は恥ずかしそうに顔を俯かせて、小さく頷いた。




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