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【鬼滅の刃】屋烏之愛

第6章 素直 後編【※錆兎】





「ちょっと待て?お前…俺に対して、罵倒したり、罵ったりとか、そういうことしか、してないよな?……どうして、そうなるんだ?というか、いつ?いつからだ?」

頭が混乱していたのか、錆兎が早口で問いかける。少し沈黙した後、陽華は小さい声で語りだした。

「…選抜の時。緊張で気持ちが昂っていたとはいえ、私、錆兎にひどいことしたのに、貴方は最後まで優しくて…それで、」

「……そんな…前から!?」

錆兎の頭に衝撃が走る。


初めて会った時じゃないか。あの流れで、こうなるか?……そんなの微塵にも感じなかったぞ。


「次に会った時は、ありがとうって、言おうって決めてたのに、貴方…私のこと、男の子だと思ってて、……すごいショックで…、思いっきり叩いちゃったから…、そしたらそこからもう、売り言葉に買い言葉で、素直になれなくなって…、」

陽華が反省するようには、両手で顔を覆い、下を向いた。その姿に、錆兎が慌てて言葉を掛ける。

「いや、それについては、俺も悪かったとは思う。……でもそういう事なら、初めての時はもう、好きだったって事だろ?なんで、向き合って、させてくれなかったんだ。」

「だって、錆兎の顔を見てするなんで、恥ずかしいじゃないっ!」

なんだその、可愛い理由は!?じゃ、もしかして、あれを嫌がったのも…?

「……じゃあ、口づけを嫌がったのは?」

「……あれは、錆兎の顔がいきなり近づいてきて……、恥ずかしくて…その…、」 



やっぱりっ!あれは拒否じゃなくて、恥じらいだったのか!?それなのに、俺は嫌われてる勘違いして、何年も……、



衝撃の事実に、錆兎は頭を抱えた。

でも反対に、やっと陽華の行動にも納得が出来る。誘いも断らず、何も言わずに、ずっと自分に尽くしてくれてたんだと知って、陽華に対して、愛しさが増してくる。

錆兎は決意したように、陽華を真正面に見つめた。

「じゃあ、本当は嫌じゃないんだな?……それならもう、遠慮はしないぞ。いいな?」

「…え?」

錆兎は陽華の両肩に手を置いた。そしてゆっくりと顔を近づける。手からの振動で、陽華が緊張で、身体を強張らせたのがわかった。



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