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【鬼滅の刃】屋烏之愛

第6章 素直 後編【※錆兎】





小屋の中を片付け、支度を整えると、錆兎は外に出た。そして、先に外に出ていた陽華に近づくと、その手を握って、ニコッと微笑んだ。

「さ、帰るか?」

「ちょっと、なんで手なんか握ってるのよ!」

「なんでって、俺たちはもう恋人同士だろ?」

「調子に乗らないでっ!アンタと噂になったら、また何を言われるか、わかんないじゃないっ!」

今度は色仕掛けで、水柱を誘惑した。とか、言われたら溜まったもんじゃない。陽華はそう思い、錆兎の手を振り払った。

その姿に錆兎は、不服そうに唇を尖らせた。

「……はぁ。昨日のお前は、あんなに可愛かったのにな。我を忘れて、乱れたと思ったら、可愛く啼いて。俺の名前呼びながら、ギュッと抱きついてきたりして…、」

その言葉に、陽華の眉毛がピクッと動いた。

「……その辺に、しておきなさいよ。」

下を向いたまま、静かに陽華が言葉を発する。そんな陽華の耳元に、錆兎は顔を寄せると小さな声で、そっと囁いた。

「……また、床の中じゃ、たっぷりと可愛がって、素直にさせてやるからな?」

錆兎が意地悪そうにニヤけなら言うと、陽華は唇をワナワナとさせて、錆兎を睨み付けると、大きく手を振りかぶった。

「あ、待てっ!!…済まない、ちょっと調子に……、」



パァンっ!



秋晴れの空に、小気味良い破裂音が響き渡った。








叩かれた頬を抑えて、錆兎は誓った。

いつか絶対に、素直にさせてやる。と。





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