第1章 プロローグ
ピリリリリ
『ん、』
6時半、起床。
眠い目を擦りながら、カーテンを開けて、いつものようにセーラー服に着替える。
今日からやっと夏服解禁。
紺色の重たいセーラー服から、涼しくて明るい白いセーラー服。
リボンを胸のところで結んで、リビングへ降りる。
『おはよう。お父さん。』
「おはよう、菜々美。昨日も遅くまで勉強か?」
『ま、テスト前だしね。』
「ふぁ、、、はよ。ん?菜々美今日だっけ?テスト。」
『あ、兄さんおはよう。そうそう。
今日から学校は4日間午前中で終わるから楽だよ。』
「ハハッ、テストだって言うのに、余裕だな!」
『余裕って訳じゃないよ〜。嫌いじゃないってだけ。』
「んなこと言うの、学校じゃお前くらいだろうなぁ。」
『ふふ、そうかなぁ。』
私はそう言いながらご飯の支度してるお母さんの元へ向かう。
『お母さん!おはよう。』
「あら、菜々美おはよう。夏服似合ってるわ。
今日からテスト、がんばってね。」
『うん!
あ、これ持ってっていいやつ?』
「えぇ、お願い。」
『はーい。』
ダイニングへそれらを持っていって、セッティングが終わったら、みんなで食卓に着く。
必ずみんなで食事は一緒に取ること、我が家のルールだ。
「「「『いただきます』」」」
それから、それぞれ、今日の予定だとか今日見た夢の話だとか、他愛もない話をして、ご飯を食べる。
それから、先ずは父が会社に、次に私が高校へと出かける。
父は今日半休で午後から家にいるそうだ。
兄は夕方には帰って、夜になったらバイトに行くらしい。
『それじゃあ、いってきます!』
「「いってらっしゃい」」
兄と母はそう言って私を送り出してくれた。
私は歩いて高校まで向かう。
今日は天気がいいから、少しまわり道をして行こうか。
私は河原を歩きながら、高校へ向かった。