第5章 Bravery
PLAYERは火の玉に
何度もぶつかりながら
トリエルにちょっとした
ダジャレを言った。
今のような状況で無かったら、
トリエルは笑っていただろう。
PLAYERの体に、
無数の火傷が出来る。
トリエルの良心が痛み始めた。
それでもトリエルは攻撃を続けた。
ボスモンスターは皆、
トリエルの様に甘くはない。
彼らの強さ、
バトルの厳しさを
叩き込まなければ。
PLAYERを安心して送り出せない。
PLAYERが、殺されてしまうから。
話しても無駄であることを
PLAYERは漸く悟った。
ぼうきれを振り上げて、
トリエルを打った。
トリエルは避けない。
今、扉の前から退く訳にはいかなかった。
隙を見て、外へ出られてはいけない。
角が折れる。
PLAYERは肩で息をした。
PLAYERの顔が、クシャッと歪んだ。
傷だらけのトリエルを見て、PLAYERは
一度武器を捨てた。