第2章 Patience
つんとした青臭さに混じって、
甘い香りが鼻腔をくすぐる。
小さな花畑に埋もれていたPLAYERは、
目蓋をうっすらと開いた。
天井から降り注ぐ、
地上の光を目視する。
光は、針の穴のように小さい。
ツタが絡んだ岩壁を、見回す。
果てしなく高い。
花の香りに噎せながら、
PLAYERは起き上がった。
相当高い所から落ちたにも関わらず、
体に痛みはなかった。
暗闇に目を向けた。目を擦ってみても、
闇は一向に暗く、不安を掻き立てる。
脱出の手口は、ここにない。
PLAYERは不安を抱えつつも、
移動することにした。
岩壁に手をつけ、離れないように
気をつけながら、PLAYERは
暗闇に向かって、足を進めた。
ゲートを潜り抜けた。