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呪術廻戦_名前を呼ぶただそれだけで。

第11章 繋ぎの風は捕らわれ影はひそむ




9月高専。本日快晴。絶好の交流会日和。
悠仁くん復活には相応しい天気。そして私が棘に会うのにも相応しい天気。

………なのに。

「倉庫番なんてつまらない…。」

それに、倉庫番と言っても忌庫を直接守るわけでもなく高専うろうろするだけの謂わば警備員………。いくら9月中盤に差し掛かって涼しくなったとは言え退屈でならない。

少し向こう側からおそらく激しい死闘が繰り広げられているであろう物音がバシバシと聞こえる。…私も悟たちと一緒に棘の活躍見たかったのに…。

でもまぁ仕方ないよね、最近未登録の特級がわんさか現れて大変だって言ってたし…。もしかしたら宿儺の器の悠仁くんが狙われる可能性だったりもあるかもしれないし…。

と思いながらもやはり警備は暇で私は交流会の会場へと続く道をぼーっと眺めていた。

すると、その道のずっと先の空が黒く染まっていくのが見えた。間違いない、何度も見てきた。見間違えるはずがない。あれは…。


「帷が……。」

なぜ。とまずは疑問が浮かび上がる。
あちらは交流会が行われている場所だ。帳なんて下りるわけがないのだ。つまり何かしらの異常事態が発生した…。急いで警戒体制に入り、いつ敵が現れてもいいように身構える。

「ぎゃあっ!!!!!!」

「っ!?」

すると、左側から突然の悲鳴。

私は慌てて声がした方へ駆けつける。そこにはかつて人間だったであろう何かが地面に転がっていた。

そのすぐ側に誰かが立っている。ゆっくりと私は顔を上げるとそこには全身が継ぎ接ぎされた長髪の男が立っていた。

…間違いない、以前七海さんから報告を受けていた特級呪霊だ。触れられただけで死ぬ、しかもこちらの攻撃は通らない…。

一体どうやって戦えばいい?

頭の中を整理して今自分にできる、奴に直接触れない攻撃方法を考える。

「とりあえず、先手必勝ってやつ?"呼出"!霧雨6本!!!」

目の前に現れたナイフ型呪具をそれぞれ指の間で受け取る。そして1秒もしないうちにやつへ投げ込んだ。ナイフは奴の衣服へ命中し、壁に縛り付けられる形となった呪霊。

間髪入れずに私はさらに攻撃を続ける。

「"呼出"、催涙歌!!」
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