第10章 愛に及んで屋をつくり、鳥はなく
「うん、よくできました。」
そう言ってまた私の唇にキスをする先生。私はまだ先生の名前を呼ぶのが恥ずかしくて顔を上げられずにいた。
「…せんせ………じゃなくて悟。お仕置きとご褒美が一緒だと意味ないよ…。」
ポツリと小さな声で呟いたのだが、どうやら先生にはしっかりそれが聞こえていたようで顎をくいと掴まれて、私の真っ赤な顔を先生は無理矢理見つめる。
「…んー?もっとえっちなのがいい?針はお仕置きとご褒美、どっちをエッチにしてほしいのかな?」
…と耳元でそう囁く先生。口をパクパクさせている私を見てクスッと笑ってさらに続ける。
「…お仕置き?ご褒美?……ま、僕は両方でもいいんだけど。」
少し低い先生の声が本気なんだということを私に理解させる。
…あれ、これ私どうしたらいいんだろう?
でも、でもまだ倉庫に呪具残ってるし…!!
というかそうじゃん!私引っ越しの途中だよ!
「……っ…今は!ダメ!!まだ引っ越し終わってないんだから…!!」
そして私はまた先生を自分から引き剥がして倉庫の中へと足を運ぶ。入り口にあった電気のスイッチを入れて私は深呼吸する。
「呼出、霧雨2000本!!!!」
……ちなみにその後の記憶はない。