第15章 叫び喚いてもそこは地獄にかわりなし
プツリ
「っ………!!!!!!!!!」
どれだけ眠っていた!?
今何時だ!?
私は気を失っていた。長く遠い夢を見ていたようだった。慌てて私はスマホの画面を確認する。
21時20分…。
女子高生との約束の時間は21時。もうとっくに過ぎてしまった。彼女たちを救出しに、急いで向かわねばならない。
私は駆け足で先ほど彼女たちがいた場所へと戻るが、そこは地獄だった。
パニックに陥り押し寄せる人の波。私が少し前に立ち寄った時よりも人数は減っている。
そして地面に蔓延る血痕。
21時に待ち合わせをしていた彼女たちの姿も、見当たらない。おそらく彼女たちはこの帳の向こう…そしてこの帳の向こうへは私はいけない。きっと呪術師が通れない類の帳だろう。
正直、もう彼らを助ける手が思いつかない。
「どうして目の前のものにすぐ縋るのよ!!」
あぁ、怒っても仕方がない仕方がないのはわかっている。落ち着け。もうあの人々の名前を聞き出すのは困難だろう。
ひとまず地上へ上がって状況の確認を。
_____21:26
狗巻 針、地上へ帰還。
その際に聞いた声はよく聞きなれた声だった。その声が私にとんでもない事実を突きつける。
「五条先生があっ
封印されたんだけどー!!!」
____この日、この時だ。
私があなたの名前を呼んでも現れなくなったのは。