【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
赤井さんは、少しだけ口角を上げながらわたしを見た。
「だが、無駄だった。
結局、別れてからお前のことを考えない日は無かったし、何度も自分にもう終わったことだと言い聞かせても、取り返したいという思いは日に日に強くなって行った。
そして、お前は俺の元に帰ってきてくれた。
俺は、お前とこの先もずっと、一緒に居たいと思う。
この気持ちに嘘はない。
だから、今日、全部包み隠さず正直に話した」
段々と、視界が滲んできた。
赤井さんが、初めて自分の話をしてくれたのが嬉しくて。
ずっと思ってた。
きっといつか話してくれるのを、待ってようって。
自分のこれまでのことも、宮野明美さんのことも、わたしと出会ってからの気持ちも全部、今こうやってわたしに話してくれた。
口下手な赤井さんが、わたしのために言葉を探しながら。
「ん…ありがとう…話してくれて、なんか…嬉しすぎて…」
言葉にならない思いを必死に繋いで、わたしは涙を拭った。
泣いてばかりだな、本当に。
きっと、3秒後にはそんなふうに言われるんだろうとたかを括っていたのに、赤井さんはその予想を簡単に裏切ってくる。