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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第43章 まちがいさがし




サラの過去は俺とどこか似ている。
きっと、サラ自身も、自分はどちらかと言えば間違いの方だと思っているだろう。

サラにじっと見られると、胸が貫かれる。
まっすぐ、何度も。
俺も、負けじとサラの瞳を覗く。


「なんか…赤井さんにじっと見られると、心臓を狙撃されたみたいな気分になる」


ふ…お前も、俺と同じことを考えてたんだな。

サラには、ひとつも嘘をついていない。
本名も、偽名も、素性も、2つの顔も、俺の好きなタバコの名前も知ってる。

好きだと言う言葉も、ぜんぶ嘘じゃない。
俺の全部、サラに知ってもらいたいと思う。

たぶん、サラじゃないと、駄目なんだ。


「サラ…好きだ」


そう言って、俺はサラの頬に手を寄せ、サラの唇に自分の唇を重ねた。


「…わたしも。好き…」


そう言ってサラは顔を少しだけ赤らめると、今度は自分から俺の頬にキスをする。


「頬だけじゃ足りない」

「…じゃあ、目つぶって…?」

「ん。」


俺が大人しく目を閉じる。
誰かの前で、こんなに易々と自分の視界を自ら奪うのは、多分サラといるときだけだ。

本当に、バカみたいに惚れてる。

そう思った時、またあの匂いがした。
ふわっと鼻にくる、甘くてあったかい匂い。
そして俺の唇に柔らかい感覚が重なる。

ゆっくりと目を開けて、サラの顔を見た。
サラにバレないように、キスをしている時のサラを観察する。

目を閉じて、長いまつ毛が見える。
眉が下がって、微笑みながらキスをしている。


「…起きよっか?」


サラは唇を離すと、そう言って笑いながらベッドを出た。
俺の紺のシャツを1枚着て、白くて細い太ももが妙に綺麗に見えた。

窓の前に立って、カーテンを開けると眩しい光が差し込んでくる。


「すごい良い天気だね」


そう言って、俺の方を振り返るサラが
天使に見えた。


間違いとか、正解とかどうでもよかった。

サラが隣にいるだけで、それでいい。

ずっと隣で笑ってくれているだけで。


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