第43章 まちがいさがし

目を覚ますと、そこには愛しい人の寝顔がある。


じっとその顔見ると、それだけで胸がぎゅっと鷲掴みにされた気持ちになる。

日本人にしては、深い掘り
眉毛がハッキリしていて、そこからスッと鼻が通ってる。
まつ毛が黒くて、長い。
目を閉じていても綺麗な顔。

すーすーと寝息を立てて眠る彼は、わたしが唯一寝顔を見ることができるひと。

そして、自分の寝顔を見せられるひと。


わたしのこれまでの人生は、まちがいだらけで、きっとわたし自身、マルかバツのどちらかと言えば間違いの方に入る人間。

赤井さんは、眩しい。
大人で、頭も良くて、みんなからの信頼も厚くて、完璧すぎるひと。

きっと、赤井さんはどちらかと言えば正解の方の人間だ。


この人がくれたのは、抱えきれないぐらいたくさんの幸せと、ほんの少しの切なさや嫉妬心。
まるで当たり前にみたいに、そばにいてくれることのあたたかさ。

朝起きて、隣に好きな人が眠っているのが、どれだけ幸せなことか、わたしにはわかる。

愛しさを噛み締めながらじっとその顔を見ていると、赤井さんの目がゆっくりと開いた。