【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第42章 Lemon
行為が終わると、タクミがギターを弾いている。
もうすっかり、服は着直して。
「ん…」
「悪い。起こした?」
「タクミ…ギター弾けるんだ。
ベースだけだと思ってた」
「曲作るのにたまに弾くんだよ。」
そう言ってタクミはまたギターを鳴らす。
「大変だね。
ミュージシャンは、ゆっくり寝る間も惜しんで曲作り」
ちょっと嫌味っぽかったかな?
だけど、これぐらい言わせて欲しい。
たまには、腕枕をして朝まで一緒にいて欲しい。
わたしはタクミの寝顔を一度も見たことないんだよ。
なんて、加害者の分際で最低なことを思う。
「俺は仕事が一番だからな。
じゃあ、俺そろそろ出るわ。…サラ。」
「ん?」
「また、連絡する。」
そう言ってタクミはわたしの唇にキスをした。
いつも、そんなこと言わないのに。
また、会ってくれるの…?
わたしは小指を差し出した。
「やくそく…」
「あはは。ガキじゃねーんだから。……約束」
タクミは片眉を下げてひとしきり笑うと、こっちを優しい目で見て、自分の小指を絡めた。
そして、わたしをこの広すぎるスイートにひとり残して、部屋のドアをパタリと閉めた。