【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第39章 BlankSpace ☆
わたしは、一睡もできなかった。
目を閉じると、セリーナさんが赤井さんに抱きついてるところとか、赤井さんがセリーナさんを抱き上げたところとか、全部キレイに脳裏に蘇ってきて、怖くなって目を開ける。
それを繰り返してた。
今日、バイトだ…
重い体を持ち上げて、準備をしているとふとキッチンカウンターにおいてあるスマホが目に止まった。
沖矢さん用のスマホ、忘れてる…
これ、なかったら困るよねきっと。
そう思ったわたしは、バイトに行く前に届けようとスマホを握りしめて、バイトの用意も持って工藤邸に向かった。
スマホを届けるなんて正直ただの建前で、わたしはただ安心したかった。
赤井さんの顔を見て、何も無いことを確認してホッとしたかっただけなの。
工藤邸の門の前に立つと、いつもより門が高く感じた。
インターフォンを押すと、有希子さんの声がして、
サラですというと、その後すぐに玄関のドアが開いた。
「サラちゃん!!!」
有希子さんはわたしを見るなり抱きついてくる。
「何あの女!!
サラちゃんあんなのに絶対負けちゃ駄目よ!!」
有希子さんは完全に全身でセリーナさんに対して拒否反応を示しているようだ。
「沖矢さんのスマホ、届けに来たんですけど…赤井さんいますか?」
「ええ。部屋にいると思うわ。
大丈夫!寝る場所は意地でも別にしたから!」
有希子さんはそう言ってわたしを中に入れて、一緒に2階へと階段を上がった。
寝る場所は別にした って言葉に、全力でホッとした。
考えすぎだったかもしれない。
そもそも赤井さんが、色仕掛けに乗るようなタイプじゃないし。
あんなにわたしのこといつもいつも大切にしてくれるんだから。
「秀ちゃんー起きてー。
サラちゃん来たわよ〜」
そう言って有希子さんが開けたドアの向こうを見て、わたしは目を見て見開いた。