第39章 BlankSpace ☆

赤井side


「あれ？赤井さん、指輪買うんですか？」


キャメルの運転する車の助手席で、タブレットで指輪を見ていると、隣りにいたキャメルがそれを見て楽しそうに言った。


「俺のじゃない。」

「見たらわかりますよ。女物ですし」


ならわざわざ聞くなよ。と心のなかで思いながら、俺はなんとなく気恥ずかしくなってタブレットを閉じた。


「指輪ねぇー。秀って意外と独占欲強いわよね」


後ろで見ていたジョディがしたり顔で言う。

好きな女にアクセサリーを贈るのは独占欲の表れとよく言う。
俺はようやく最近になってその真意がわかるようになってきた気がする。

要はただ安心したいんだ。
好きな女が、俺のものだと常に視覚的に。

それが独占欲と言われればそうなんだろうが、俺の場合は首輪代わりのネックレスだけでは足りないらしい。

問題はどうやってこれをあいつに贈るかだ。
あいつのことだから、ただ単純に渡すだけじゃ遠慮して受け取ってくれなさそうな気がする。