第36章 Stay Beautiful ☆

朝がやってきた。


わたしが目を覚ましたときには赤井さんはもう起きてて、キッチンでコーヒーを淹れていた。


「おはよー。早いね」

「ああ。ほとんど眠れなかったからな」

「？どうして？怖い夢でも見た？」


赤井さんの顔を覗き込みながらそう聞くと、赤井さんはコーヒーを飲みながら言った。


「そんなことより、一週間で3キロ、痩せられるのか」

「わたしを誰だと思ってるの？
現役のときは体型キープのスペシャリストだったんだから！
自分の身体がどうしたら絞れるかぐらいわかるよ！」

「ホォー」

「ということで、今日から一週間、ジムに通おうと思います！」


ちょうど園子ちゃんから、スポーツジムの経営が始まったと聞いていたし、この近くに出来たとも言っていたからちょうどいい。

勢いよく手を上げながら、宣誓するみたいにそう言うわたしを見て、赤井さんがどこか不安そうな視線を向けた。


「何その目」

「いや？…お前は言い出したら聞かないからな」


はぁーとため息をつきながら、わたしの頭をぽんぽんと撫でて赤井さんが言う。


「ただし、危なくなったら即辞めさせるからな」

「危なくなるって、ジム行くだけだよ？しかも一週間」

「お前は何も分かってないな…」


赤井さんの言ってる意味が良くわからず、それでもとりあえずはジムに通えることになったわたしは、大急ぎで園子ちゃんに電話をした。