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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第1章 出逢ってしまったふたり




特に怪しいと思うことなく、
わたしは家の中へと足を踏み入れた。
ズキズキと痛む右肩をさすりながら、
ダイニングに通されると、沖矢さんが椅子を引いて手招きをしてくる。


「こちらへ。」


言われるがまま、その椅子に座ると
沖矢さんは、わたしの着ていたシャツの腕の部分を引きちぎり、
銃槍の手当てを始めた。


「一体どうしたんです。この傷」

「…ちょっと、事故で。」

「痛みますか?」

「少し。でも、我慢できます」


痛みにも、苦しみにも慣れている。
沖矢さんが手当てをしてくれている間
わたしは声ひとつ上げずに痛みを耐えた。


「よし。これで大丈夫です。
あとはきちんとした病院で手当てを受けたほうがいい。」

「そうですね。そうします」

「さて。それでは車で家まで送りましょう。どちらですか?」

「あ…っと。実は家出をしてきて、今日はカプセルにでも泊まろうかと」

「そうですか…ちょっと、一本電話をしてきてもいいですか?」

「もちろん、どうぞ!」


そう言うと、沖矢さんは 失礼しますと付け加え、
スマホを持ってダイニングの外へ出ていった。


「病院か…って言っても保険証ないんだよね…しかも、病院行っちゃうとこれが銃槍ってバレるよね…」


そんなことを呑気に考えていると、
ピリリリリ とスマホが鳴る音がした。

音のする方へ向かってみると、
キッチンのカウンターのところにスマホが一台置いてある。

沖矢さんのかな。2台持ってるんだ。

何気なくディスプレイを見ると、
着信 江戸川コナン
と表示されている。


「変な名前」


ぽつりとそうこぼして、
沖矢さんに渡しに行こうと、スマホを持ってダイニングを出た。

広いお屋敷の中、キョロキョロと見渡しながら歩いていると、
いつのまにか 着信は止んでいた。

沖矢さんは見つからないし、電話も止んだし
ダイニングに戻ろうか。

そう思ったとき、通りかかった部屋から男性の声が聞こえた。
ここか。 沖矢さん そう呼びかけながら部屋に入ろうと
ドアを少し開けたとき、驚きの言葉が耳に届いた。

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