第36章 Stay Beautiful ☆

「いただきまーす！」


今日の夜ご飯は赤井さんが作ってくれた。
ふわとろのオムライスを、わたしは満面の笑みで口に運ぶ。


「お前は、本当に美味そうに食うな。ただのオムライスを」

「ただのオムライスじゃないよ！
赤井さんが作った魔法のオムライス！」


赤井さんの作るオムライスは、卵がふわふわで、口の中に入れるとトロッと溶ける。
ケチャップライスも絶妙。
FBI辞めてもこのオムライスで食べていけそうな気すらする。

オムライスだけじゃない。
赤井さんの作るご飯はシチューも肉じゃがも全部絶品だ。


赤井さんとまた付き合い始めてから、毎日毎日幸せで、それはもう食欲も止まることを知らず、こないだなんて赤井さんが作った肉じゃがでご飯3杯もおかわりした。

今日も赤井さんが作ってくれたオムライスは、赤井さんのよりわたしに出してくれた方が大きい。


「んー！うまぁー！」


頬が溶けそうな顔をしながら頬張るわたしを見て、赤井さんは優しく笑う。


「喉詰まらせるなよ」


あぁ、なんて幸せ…
わたし、こんな幸せでいいのかな…
そんなことを思っていた今日この後、
わたしは天国から地獄へと一気に突き落とされることになるとはこの時思いもしなかった。