第35章 ハルウタ　☆

「サラって、気安く呼び捨てにしないでいただけますか？　僕の彼女なんで」

「え？どう呼ばれるかは、サラが決めることじゃないっすか？結構心狭いんですね。」


俺は思わず片目を開眼させて比護を見た。



バチバチと見えない火花が散っているのを、灰原哀は横で呆れた顔をして見ると、やれやれと首を傾げてボウヤや子供たちがいる方へ去っていった。

遠くの方でボウヤが灰原哀とこっちを見ながら呆れた目で言っているのを耳が良い俺はちゃんと聞こえた。


「なーにやってんだ、昴さん」

「知らないわよ」


こっちは緊急事態なんだ。
そんな目で見るなよ…