【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第35章 ハルウタ ☆
インタビューに出てきたのはやっぱりあいつだ。
「比護選手、勝利ゴールでしたね!おめでとうございます」
「あぁ、ありがとうございます。」
「今日の比護選手は、何だか気合入ってたなと感じたんですが、何か特別な思いがあったんですか?」
「いえ?いつも通りですよ?」
そのインタビューの様子を、灰原哀はポーッと顔を赤くして見ている。
まぁ、確かに、人気が出るのもわかる。
見た目もいい、サッカーも上手い、性格もいい。
同じ男でも、モテるだろうなと思うぐらいだ。
横目でサラを見ると、またじーっと彼のことを見つめていた。
「いつも通りー?!試合中、チラチラVIP席の方見てたやんー?誰か来てたんちゃう?」
「お前!貴大!あっち行ってろ」
「比護選手、誰か知り合いの方が応援に来ていたんですか?」
「いや、知り合いというか…まぁ。」
「顔、赤いで?」
「うるさいよ、もう!」
ほらな、やっぱり連れてくるんじゃなかった。
俺が、はぁーとため息をつきながら頭を抱えていると、
そのインタビューを見た子供たちが、わー!と言いながら言う。
「これきっと、哀ちゃんのことだよ!!」
「え?」
灰原哀は、顔を赤くしながら歩美ちゃんの方を見た。
「哀ちゃん、こないだも比護さんにストラップ触ってもらってたし!絶対そう!」
そう言う歩美ちゃんの言葉をすっかり鵜呑みにしたサラは、何も知らずに灰原哀に言う。
「そうなんだ!良かったね、哀ちゃん」
満面の笑みでそう言われると、灰原哀はギッとサラの方を睨み、トイレ!と言って会場を出て行った。
「えぇ…なんで…」
サラは、多分一度痛い目にあうべきだな…
自覚がないと言うか、天然というか。
どう考えても、サラのことだろう。さっきのは。
そう思いつつ、灰原哀の警護のために俺も手洗いに行くと口実をつけ、会場から出た。