【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第34章 アイネクライネ
赤井side
「大人2枚と、子供1枚」
「はい。こちら、大人2枚と子供1枚のワンデーパスになります。
ご家族で良い一日をお過ごしくださいね」
そう言ってチケット売り場のスタッフに差し出されたチケットを受け取りながら思った。
残念ながらご家族じゃないんだがな。
幼い頃、両親や兄弟と遊園地なんて、思えば来たことなかったか。
サラといると、初めてのことだらけだな。
フッと顔を緩ませながら、サラが待つ場所へ戻ると、サラの姿もレンの姿も見当たらない。
「…待ってろって言ったのに、一つも守らんな」
ハァーっとため息を付きながら周りを見渡すと、何やら向こうで人だかりができているのが見えた。
嫌な予感しかしない。
俺は足早にその人だかりの方へ向かうと、その中でサラが男数人を相手に大立ち回りを繰り広げている。
「やっぱり」
後処理、結構面倒くさいんだぞ…キャメルに頼むけど。
やれやれ。と頭を抱えながら不意にレンの方をみると、
レンの後ろでバットを構えている男が見えた。
「おいおい。殺る気満々じゃないか」
そう零しながら、レンに振り下ろされたバットを後ろから間一髪で掴み止めた。
「あ、赤井さん!」
「赤井!」
サラとレンがびっくりしたようにこちらを見た。
お前ら…驚きたいのはこちらだよ。全く。
俺は男からバットを取り上げると、男のみぞおちに拳で一発殴り、気絶させた。