【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第34章 アイネクライネ
「レン!!もう!何やってんの?」
「サラ!」
わたしはレンに近づいて、腕を引いた。
お兄さん達はわたしに気づいて今度はわたしに睨みを効かせる。
「お前、そのガキの母親か?」
「この子がなにかしたんですか?」
母親か?という質問に、否定するのも面倒でスルーしながらわたしは聞いた。
すると、レンはわたしを庇うように前に来ると、お兄さんたちを指差しながら言う。
「この兄ちゃんたちが、そこの女の人を車に連れ込もうとしてる!」
「え?」
よく見ると、わたしたちの前に立っている男の更に奥に、女の子が二人腕を掴まれた状態で車に引っ張られていく。
「うるせえな。人聞き悪いこと行ってんじゃねえよ」
しかし、どう見ても合意のもとには思えないぐらい、女の子たちは必死に抵抗している。
「ちょっと!嫌がってるじゃない!
離しなさいよ!」
わたしがそう言うと、前に立っていた男が笑いながら言う。
「いやいや。大げさに言ってんじゃねえよ。
それとも、あんたが代わりに相手してくれるって?」
そう言いながら、わたしの顎に手を添えて来たので、わたしは咄嗟にその男の腕を掴み、
腕をひねる反動を利用して宙返りをし、自分の脚をその男の首にかけて勢いよくその男の身体を倒した。
「相手してあげる。」
「こ、この野郎!」
そう言いながら、隣にいた別の男がバタフライナイフを出した。