【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第34章 アイネクライネ
眠ったレンを見ながら、わたしは赤井さんに話しかける。
「寝ちゃったね」
「ああ。」
「レンは大丈夫だよ。
わたしみたいに、闇落ちしたりしない」
「だといいがな。絶望するには十分だ」
「レンにもはやく見つかるといいね。
この人のために生きたいって思える人」
そう言いながらレンの前髪を撫でて、ふふっと笑った。
「明日はどっか連れて行ってやるか」
「そうだね。あ…でも赤井さん、沖矢さんじゃないと…」
「帽子かぶってサングラスするから、問題ないだろう。変装するほうが何かとややこしそうだ」
赤井さんはそう言いながら、レンの頬を指でつついた。
まるで、本当のパパみたい。
「あ。そう言えば、赤井さんのご家族ってどんなひとなの?」
「…話してなかったな。そういえば」
「うん…」
「また今度話すよ。必ず」
赤井さんはそう言って、わたしの髪を撫でた。
そう言えば今日はレンがいたから、赤井さんに触れられるのは帰ってきて抱きしめられて以来だ。
赤井さんの手はすごいな…いつでもわたしの心を癒やしてくれる。
わたしが目を閉じて、赤井さんのぬくもりを感じていると、赤井さんが少し真ん中に寄ってきた。
わたしも、すこしだけ真ん中に寄ると、レンの頭のうえで唇を重ねた。
「…大好き」
「俺も」
そう言って笑い合って、わたしたちは一緒に目を閉じて眠った。