【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第33章 If This Was a Movie ☆
サラにハンカチを渡してやると、サラはそれを受け取って顔を覆いながらまた映画に釘付けだ。
結局その病気の男は死に、5年後にその男から、自分のことは忘れて幸せになれ。という手紙が女に届き、映画はエンディングを迎えた。
ようやく2時間が終わった…
コーヒーをひと口飲もうと、サラの肩に回していた腕をほどき、ソファーからローテーブルに身を乗り出した時、サラが咄嗟に俺の腕を抱きしめるように掴んだ。
「?どうした?」
「離れちゃやだ…」
「コーヒー、取るだけなんだが…」
「…観なきゃよかった。この映画」
「お前が選んだんだろ?」
「だってこんな悲しい結末なんて思ってなかったんだもん」
そう言いながら、ぎゅーっと俺の腕にしがみつくサラはまるで小さい子供みたいだ。
俺はコーヒーを取るのを諦めて、おとなしくソファーに座り直すと、俺にしがみつくサラをこちらに向けて、唇を奪った。
キスに集中するサラの手が俺の腕からほどけると、俺はサラの身体を腕の中に閉じ込めて、抱きしめながらまたキスをした。
「お前が気が済むまで、こうしてるよ」
「…好き」
「俺も」
「どこにも行かないで…ずっとそばにいて…」
涙で濡れた目で俺をじっと見てそう言うサラ。
そうだな。こいつの心の傷を俺は抉った。
サラが前にも増して甘えたになったのは俺のせいだ。