第30章  I belong with you ♪

俺は抱き寄せていたサラを自分から離し、こちらを向かせた。


「？」


と、首を傾げるサラと向き合う形で、俺はサラの手を握り、サラの瞳を真っ直ぐ見て言った。


「…サラ。俺と付き合って欲しい。
結婚を前提に」


「え……えぇ？！」


俺の決死の告白に、サラは一瞬放心状態になったかと思えば、いきなり目を見開いて驚きの声をあげる。


「…なんだよ」


「どうしたの？
赤井さん。熱あるの？」


「はあ？」


「だってそんなこと言ってくれるなんて変だよ！」


こ、こいつ。
今の言葉を俺が言うのがどれだけレアケースだと思っているんだよ…
思っていた反応と違い、俺が困惑しているとサラはふふっと笑いながら言う。


「うそ。嬉しすぎて、つい照れ隠し」


なんだそれ。そんな可愛い顔で笑いながら。
結局俺はお前には敵わない。

離れようとしても、離れられないし、お前の反応ひとつで俺は天国にも地獄にもいける。


「…返事は？」


サラの手を握ったまま、サラの方を見てそう聞くと、サラはぎゅっと手を握り返しながら言った。


「Yes」


微笑むサラの頬に手を添えると、サラはとても心地良さそうに目を閉じた。


そのまま何度も、何度も唇を重ねた。
会えなかった日を埋めるみたいに。