第30章  I belong with you ♪

嫌だ。離したくない。
ずっと、僕のものでいてくれよ。

…赤井は、サラを手放す時どんな気持ちだったんだ。

こんなに苦しくて、息ができないぐらいつらいのに。
それでもサラの幸せを願ったのか？


「零？どうしたの…？」


サラは様子がおかしい僕の方を向こうとするが、僕はサラにこっちを向かせないように後ろから抱きしめる力を強めた。


「…気持ちいいな。」

「え…？うん。そうだね…」

「たぶん、一生忘れない」

「…どうして、そんなこと言うの？」


サラも少し涙声になっている。
わかってるくせに。
必死に気付かないふりをしてる。


「サラ…大好きだ」


そう言って、サラをこちらに向かせて顔を見られる前に唇を奪った。


「ん…」


柔らかい肌が、僕の身体に当たる。
サラの白い肌と、僕の褐色の肌が苦しいぐらいにアンバランスだ。

唇を離すと、サラと目があった。


「零…。泣いてるの…？」

「ううん。お湯の雫が飛んだだけだよ」


そう言って、またサラの口を自分の唇で塞いだ。