【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第30章 I belong with you ♪
零は、予定より少し遅く帰ってきた。
鼻を少し赤くして。まるで泣いた後みたいな。
零は何ともなさそうに笑って、ただいまと言った。
「サラ、明日暇?」
「うん。部屋の掃除して過ごそうって思ってたよ」
「じゃあ、デートしよう」
「?いいよ?どこいくの?」
「それは明日のお楽しみ」
そう言うと零はわたしの髪を撫でて笑った。
どうして、そんな切ない表情で笑うの?
遊びに行くんでしょ?
わたし、零のこと不安にさせてる?
思わずわたしは零に抱きついた。
「サラ?どうした?」
「零…」
好きだよって言いたいのに、言いたいのに。
言葉が出てこなくて、わたしはその分抱きつく力をぎゅっと強めた。
「サラ。…一緒にお風呂入ろうか」
「え…」
「嘘。冗談だよ」
零はわたしの頭をぽんぽんと撫でながら、自分のネクタイを緩めた。
わたしは思わず零のシャツの裾を引いた。
「はいる!」
零は驚いた顔をしてこちらを見た。
わたしは空回ってる?
焦ってるの?
けど、わたしには必死に零にしがみつくしかできない。
赤井さんのことを考える隙間なんてないぐらい、零に溺れるしか、できないんだよ。