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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第30章  I belong with you ♪




複雑な気持ちを抱えたまま、わたしは自分の家に春用の洋服を取りに来た。

クリスマスに赤井さんと別れてから、零と一緒に冬を越して、もうすぐ春が来る。

夏、秋とすごしたら、今年のクリスマスは零と過ごすんだ。
そう思っていたのに。


流れる季節に逆らって、わたしは思い続けてたの?
まだ、赤井さんのことが好きなままなの?

自分の家の玄関ドアを開けて、中に入る。
この玄関でわたしが泣いてたら、赤井さんは戻ってきてくれた。


あの頃から、わたしたちの関係は脆かったよね。


住む場所がほんの少し離れただけで、不安定になってた。
無理して笑って、それでも触れ合ったらそんなこと全部吹き飛んでた。

キッチンを見ると、あのキッチンで赤井さんに抱かれたことを思い出す。
力強くて、心地よくて、赤井さんにしがみつきながら、永遠を願ったんだよ。

机の上を見ると赤井さんが捨てていったタバコの空箱がまだある。

そして、シェルフの上には赤井さんにあの日渡そうと思っていた時計のプレゼント。
綺麗に包装されて赤いリボンが付いたその箱に耳を傾けると、時計の針が動く音がしてる。


この部屋で赤井さんと過ごしたのは、ほんの少しの時間だったはずなのに、赤井さんで溢れている。


認めたくない。
赤井さんのことがまだ好きなままって。
認めたくないのに…


わたしはその場で座り込んだ。
もう零に助けてって言えない。


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