【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第30章 I belong with you ♪
朝が来た。
わたしはいつのまにか眠っていて、気付くと赤井さんの上着を枕にして、身体に毛布がかかっていた。
思わず赤井さんの姿を探した。
赤井さんは、わたしから少し離れたところで、壁にもたれながら座って寝息を立てていた。
わたしに服全部貸してた赤井さんは、眠りながらくしゃみをする。
わたしは慌てて赤井さんに駆け寄って、自分がかけられていた毛布を赤井さんにふわっと掛けた。
「ん…」
ふと目を覚ました赤井さんの瞳とわたしの瞳が合う。
昨日、何度も好きだと言ってくれたあの目で。
「…ごめん…わたしに服貸してくれてたから…寒かったよね」
わたしがそう言ったとき、赤井さんの手がわたしの腕を掴んで、気付くと赤井さんの腕の中に閉じ込められていた。
赤井さんは、何も言わずにぎゅ…っと力強く抱きしめて、わたしの髪に顔を埋めた。
わたしの頬が、赤井さんの素肌の胸に当たる。
逞しくて、心地いい腕の中…
赤井さんの身体は冷たくて、わたしは赤井さんから身体を離すことができなかった。
わたしに服を貸してくれてたせいで身体が冷えたと言う罪悪感だ。
赤井さんに、抱きしめられたいわけじゃない。
必死にそう思おうとした。
しばらく抱きしめて、ゆっくり赤井さんが身体を離してわたしの頬に手を添えた。
「サラ…」
わたしは俯いて、ただ自分の心臓の音が赤井さんに聞こえませんようにと願った。
そんなわたしに追い討ちをかけるように、赤井さんが言う。
「…お前が俺をもう好きじゃなくても、俺はお前が好きだ。」
「…わたしは…」
「…いい。言わなくて。
お前の口から、別の男が好きだって、聞きたくない。」
そう言って赤井さんは、また切なそうに口角を上げた。
「…雨も上がったし、そろそろ戻ろう。
みんな心配してるだろうし。」
来た時と一緒で、赤井さんがわたしに背を向ける。
わたしはゆっくりと赤井さんの背中にしがみついた。