【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第29章 赤い糸 ♪
赤井side
そりゃそうだ。
都合が良すぎる。
今更、サラを取り戻したいと思うなど。
あれから数時間経って、今は深夜3時。
暖炉の前を見ると、サラは床に寝転んで眠っていた。
あの頃、工藤邸で何度も見た寝方。
子猫みたいに丸まって、すやすやと寝ている。
「サラ…」
俺は、サラの頭の下に自分の乾いた上着を丸めて入れてやり、毛布を体に掛けた。
「…嫌になるよ。
…お前のことが、好きで仕方ない。」
そうぽつりと呟くと、サラの髪を撫でた。
眠っているのを良いことに。
サラサラの髪は、すっかり乾いていた。
「好きだ…」
サラの頬を撫でると、ピンクに染まった頬が柔らかい。
「好きなんだ…」
額にキスをすると、ん…と眉を顰めた。
「好きなんだよ…」
そして俺は眠るサラに唇を重ねた。
サラが好きでたまらない。
サラを取り戻したくてたまらない。
「もう一度、俺のそばにいてくれ…」
そんな願いが小さく小屋の中に響いていた。
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