【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第29章 赤い糸 ♪
雨の音が、小屋に響く。
けれどわたしの耳には、赤井さんの声しか聞こえない。
「俺は、お前が好きだ。
別れてからもずっと…今も。」
その言葉が、わたしをがんじがらめにする。
息が出来ない。
わたしは…ずっと赤井さんと一緒に居たかった。
そのせいでたとえ世界が明日終わっても、一緒に居たかった。
赤井さんは正直という名の下に残酷だ。
今更そんなこと言わないで…
せっかく、もう平気って思えてたんだよ。
もう思い出さない。
赤井さんに会っても、ただの知り合いとして接さなきゃ。
そう思ってたのに。
赤井さんが、わたしの頬に触れる。
懐かしい、冷たい手のひらだ。
この手が、大好きだった。
「サラ…」
背の高い赤井さんから降ってくる声も好きだった。
わたしの名前の呼び方も。
ずっと変わらないでいて欲しいって思ってた。
赤井さんが座ったまま、わたしに一歩近づく。
動けない。
唇が震える。
泣けてくる。
全部、何一つあの頃と変わってなくて、まるで数ヶ月前にタイムスリップしたみたいだ。
ゆっくり、ゆっくりと赤井さんがわたしの顔を少しだけ上に向かせて、赤井さんの顔が近づいてくる。
その、グリーンの目も好きだった。
わたしを捉えて離さない目。
右手はポケットに入れてる、その仕草も好きだった。
「あか…
ほら、わたしが何か話そうとしているのにそれを遮るようにキスするのも、変わってない。
赤井さんの唇が、わたしの唇に重なり、わたしは何も出来ずにただ赤井さんのキスを受け入れた。