【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第29章 赤い糸 ♪
「…ん?なにか落ちたぞ」
「あっ!それは…」
ポトっと落ちた拍子で、口が開いて中身が飛び出た。
俺はそれを見て、言葉を失った。
それは、俺がサラにプレゼントしたネックレスだった。
どういうことだ。
サラはスマホも何も持ってなかった。
持っていたのはこれだけ。
つまり…
「お前、まさかこれを探していたのか…」
サラを見ながら聞くと、サラは俯いて黙った後、ぎゅっと目を瞑ったまま静かに頷いた。
まるで、怒られるとわかっていてしょげる子供のようだ。
また、俺のせいで危険な目に遭わせたのか…
そう思うと、思わずサラの両肩を押さえて怒鳴った。
「これじゃ、俺が何のためにお前と…」
離れていても、俺のせいで危険な目に遭うのなら、なんのためにお前と別れたんだよ。
全部言い終わる前にサラの顔を見ると、切ない目で俺を見た。
「なに…?
邪魔だから、振ったんでしょ?!
…わたしのこと、嫌いになったから振ったんでしょ?」
「違う!」
俺の剣幕に、ビクッと身体を揺らしたサラが声を震わせる。
「…じゃあ、どうして…?
どうしてわたし達、別れたの?
なんで…」
サラの目を見ていると、もう嘘はつけず、俺はサラから目を逸らさずに言った。
「お前を、守るためだ」
「え…?」
「俺のせいで、お前は殺されかけた。
それに、俺のそばにいると組織に見つかる可能性も高まる。
その時、お前を守れずに死なせるぐらいなら、お前を手放してでも、守りたかった。
お前の幸せを。」
「…わたしのこと…嫌いになったんじゃないの…?」
サラはそう言って、涙を溜めて俺を見た。
もうその涙に嘘はつけない。
降参だよ。俺はずるい男だと思う。