第29章 赤い糸　♪

わたしは、ゆっくりと今自分が着ていた上着を脱いで、その下に着ていたシャツのボタンを一つずつ開けていく。


後ろに、赤井さんがいる。
その中で服を脱ぐのが、すごく緊張した。


ボタンを外す手が震える。

ボタンを全部はずして、履いていたデニムも脱いで、下着も脱いだ。

ずっと木陰で座っていたからか、ショーツはそんなに濡れて無くて、わたしはショーツ1枚の上から赤井さんのシャツを着た。


大きくて、膝まで隠してくれるシャツ…
何度か、勝手に着たことがある。
赤井さんの匂いがする。


ダメなのに、懐かしくて眩しすぎて涙が出そう。
もう二度と、思い出さないって決めていたのに。


心臓が鷲掴みにされてるみたいにギュッとなった。