【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第28章 最愛 ♪
自分でここに連れてきたくせに、どうかしてるな…。
は…と自嘲気味に笑って、サラの手を離そうとすると、サラは僕の目を覗き込みながら言った。
「零。零がどうしても駄目って言うなら、わたしはここで待ってるよ…?」
何言っているんだよ。
あんなに嬉しそうにしていたのに。
今更ここで大人しく待っているような聞き分けのいい子じゃないだろ?
僕は思わずサラの腕を引いて、自分の唇でサラの口を塞いだ。
「ん…」
数秒口づけて離すと、大好きなサラの顔が目の前にある。
「…わたしね。これからはちゃんと正しいことに自分の力を使いたい」
「うん…」
「行ってもいい?」
「…ダメって言いたいのにな、本当は。
…久しぶりの任務に、ワクワクしてるんだろ?」
「…やっぱり気づいてたんだ」
「気づくよ。
サラのことばっかり見ているんだから」
「気づいてても、連れてきてくれたんだね。
ありがとう」
そう言ってサラが優しく笑うから、僕はもうサラの手を離すしか無かった。
大丈夫。そこまで危険な任務じゃない。
これが終わったら、家に帰って夕食を食べて、風呂に入ったらサラを抱く。
またいつもの日常だ。
サラは僕の頬にキスをした後、RX-7の屋根に軽やかに登ると、見取り図に書かれている駐車場天井の通気口に、手をかけてスルッと中に入った。