【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第28章 最愛 ♪
赤井side
工藤邸の自室。
タバコを吸いながら、PCの画面に目を通しているとき、ジェイムズから電話が入った。
「はい」
「赤井くん。
明日の夜、杯戸シティホテルへ向かってくれないか」
ジェイムズの指令はいつも突然、それも、まず手短に要件のみを伝えてくる。
「事件ですか?」
タバコの火を消しながらそう聞くと、ようやく詳細を語り出すジェイムズ。
「あぁ。公安警察の機密情報が盗まれたらしい。
黒の組織ではなく、別のマフィアだがFBIも追っている連中でね。
日本にいる我々に出動要請が今連邦捜査局本部から来たよ」
「盗まれた機密情報を取り返し、あわよくばその実行犯を捕まえろということですか」
「その通りだ。頼んだよ」
「…了解です」
そう言って電話を切った。
公安警察…
ふと安室透の顔が浮かぶ。
彼にはスコッチの件で相当根深く恨まれていたけれど、サラの件も相まってさらにその溝は深まった。
またサラのことを思い出した。
以前、キュラソーに公安のデータを盗まれたとき、俺の助手席にサラが乗っていたことを。
些細なことですぐにあいつのことを思い出してしまうのは、俺の悪い癖だ。