【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第25章 プロローグ ☆ ♪
助手席に乗せて出発しようとキーを回した時、サラが僕に言った。
「…安室さんのこと、好きになりたい」
「…え」
「好きにさせて…お願い」
「サラ…」
「安室さんの家に行きたい」
その言葉が何を意味するのかわからないほど子供ではなく、そんなサラに何もせずにいられるほど大人でも無かった。
僕は何も言わずにエンジンを蒸して、サラの家とは反対方向を向かってアクセルを踏んだ。
自宅マンションに着くと、サラは何も言わずに僕の後ろをついてくる。
玄関の鍵を開けようとするが手が震えて鍵がなかなか刺さらない。
僕の方が緊張してどうするんだ。
そう思って深呼吸をして玄関ドアを開け、サラを中に招き入れた。
「おじゃします」
そう言って中に入ったサラを、たまらずに玄関で後ろから抱きしめた。
「サラ…必要なものだけトランクに詰めて、後の荷物は全部置いたままでいいから。僕の家に来て」
「え…」
「一緒に暮らそう。」
サラは少し黙った後、抱きしめる僕の腕をぎゅっと握って言った。
「うん…」
僕は後ろから閉じ込めていたサラの身体をこちらに向かせると、頬に手を添えた。
「好きだよ」
そう言うと、サラは少し笑って
「うん…」
そう言った。
わたしも好き。今はそう言われなくてもいい。
いつか、サラがちゃんと僕を好きになってくれればいい。
そう思いながら、僕はサラの唇を奪った。