【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第24章 思い出せなくなるその日まで ♪
堰を切ったようにまた泣き出すわたしを、安室さんは指で涙を拭った。
「好きだよ…サラ…」
安室さんはわたしの目を見てそう言うと、ゆっくりとわたしの唇を奪った。
時が止まったような気がした。
そして、赤井さんの唇の感覚も消されたような気がした。
何も言えなくて、じっと安室さんの方を見た。
安室さんの目は、赤井さんとは違って、穏やかだ。
赤井さんの視線は、いつもわたしの胸を撃ち抜いてきた。
安室さんの視線は、わたしを優しく包んでくれるみたいだ。
「僕のこと、好きになって…」
そう言いながら、安室さんはまた角度を変えてわたしにキスをした。
このまま、安室さんを好きになれたらいいのに。
赤井さんのことなんて、一瞬も思い出せなくなるぐらい、安室さんにハマればいいのに。
唇をゆっくりと離すと、安室さんがわたしの目を見つめながら髪を撫でた。
こ、これは今返事をしなきゃダメなやつ?
と、わたしが突然焦ったように何かを話そうと口をパクパクさせていると、安室さんは口を押さえてプッと笑う。
「金魚みたい」
「きっ!?」
「返事はいつでもいいから。気長に待ちますよ」
「うん…」
今すぐに、わたしは赤井さんが好きだから!と断ることは出来る。
だけど、どうしてもその言葉が出てこなかった。
甘えてるのかもしれない。安室さんに。
「明日はどこ行こうか?」
「え?」
「また明日も同じ時間に迎えに来るから、行きたいところ考えておいて」
そう言ってわたしの頬にキスをすると、安室さんは帰っていった。