【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第24章 思い出せなくなるその日まで ♪
今日は安室さんと一緒にライブハウスに来ている。
「わたし、ライブハウスって初めて」
「へぇ。アメリカでは行かなかった?」
「うん。歌を歌ってくれるバーみたいなところには行ったことあるけど…」
そう言いながら地下のライブハウスの扉を開くと、ものすごい音だ。
「すごい音…」
「えっ?何?」
爆音にかき消されたわたしの声を拾おうと、安室さんが耳をわたしの口元に近づけた。
不覚にも、ドキッと胸が鳴って、それに気づかれないように深呼吸してもう一度話した。
「すごい音だね!」
そう言うと、安室さんは、はははっと笑った後、何か言ったけど、聞こえなかった。
今度はわたしが安室さんの服を引っ張って、
「なに?」
と言うと、安室さんは屈んでわたしの耳に口を近づけ
「可愛い」
と言った。
その言葉にわたしが顔を赤くして、
「また冗談言う!」
と言うと、安室さんは笑ってわたしの肩を抱き寄せた。
「人が多いから、僕から離れないでください」
耳元でそう言われながら肩を抱かれるのは全然嫌じゃなかった。
このまま、安室さんのことを好きになればいいのに。
そんなことすら思ってしまう。
赤井さんは、今誰といるの?
どこにいて、何を思ってるの?
このままじゃわたし、赤井さんのことを好きだった日が全部ただの思い出になっちゃうよ…
奇しくも、その時ライブで歌われていた曲がそんなことを歌った曲で、わたしはずっと赤井さんのことを思い出していた。