【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第23章 さよならとたった一言で
これまで、こんなふうに拒絶されることなんてなかったのに。
「わたしは…隣に座りたいよ…」
寂しい。一緒にいるのに、心がすれ違っている気がして。
何か怒ってる?それとも疲れてる?
赤井さんが、まるで知らない人みたいだ。
そう思っていると、赤井さんがゆっくり口を開いた。
「…奇跡はもう、終わりだな」
「え…」
小さな声で、ぽつりとつぶやくように。
なのにどうしてか、わたしにははっきり聞こえた。
奇跡は終わり
言っている意味がわからなくて、分かりたくなくて思わず赤井さんを見つめた。
燃えてるみたいなオレンジ色が、シャレにならないぐらい、怖い。
彼が次に何を言おうとしているのか、考えるのも怖い。
夕陽が赤井さんの背に来て、赤井さんが今どんな顔してるのか、影に隠れて見えない。
わたしはわかっていた。
この先に待ち受けてる運命を。
だけど、必死に気づかないふりをした。
そんなわたしに、残酷な現実が訪れる。