【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第22章 終わりの歌 ♪
「やあ。赤井秀一くん」
変声機を使っていない。
ということは、俺と直接面識がない奴か?
「これは、オンライン会議になってるから、そっちの映像音声も欲しいな。
特に赤井秀一くん。君の顔を」
「秀!あなたはダメよ!
世間的には死んでいる人間なんだから」
そう静止するジョディの声を無視して、俺はカメラと音声をオンにした。
「これで満足か?」
「ああ。いいね。
お礼に彼女の声でも聞かせてあげよう」
そう言ってピエロはまた映像をサラに切り替え、マイクをベッドの方へ向ける。
「なによ」
急にマイクを向けられたサラはピエロを睨みながら言う。
「赤井秀一と話をさせてやるよ。1分だけ」
そう言われると、サラはカメラの方を見ながら声を上げた。
「身長175センチ前後、中肉中背の男性で,年齢はわかんない。
けど多分20代か30代だと思う。
ここがどこだかわからないけど、周りの音がほとんど何も聞こえないから防音されてるか、周りに何も無い場所だと思う。
あと…」
「そこまでだ」
話をさせてやろうと言われ、一言も 助けて! や 怖い!と言わないあたり、サラらしい。
「威勢のいい女で良かったなぁ。
赤井くん。
今のでもヒントになったが、俺からもヒントをやろう。
ヒントは全部で5つ。
あとでメールするよ。
俺を捕まえてみてくれ」
そう言うと、映像がブラックアウトした。
「サラ!」
俺の呼ぶ声はサラには届かず、俺はまたグッと拳を握る力を強めた。