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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第19章 pure ☆




赤井さんが出て行って、もう1時間経った。

遅いな…トラブルでも起こってるのかな…
不安だけが募り、じっと観覧車の方を見つめた。


そのとき、ドォーンという地鳴りが響いた。
そして、観覧車が大破して崩れかけているのを目視した。


「赤井さん…」


まさか、あれに乗ってないよね…?
っていうか、乗ってなくてもあの周りにいて、巻き込まれていないよね…?

そして、空に何か大きなものが飛んでいるのが微かに見えて、耳をすませばガトリングの銃声が聞こえる。
例の組織は、やるとなったら徹底的にやる。

特にジンは…


「赤井さん…」


わたしはたまらず車のドアに手をかけ、外に出ようとした。
そのとき、赤井さんの 絶対に外に出るな。という言葉が頭の中で響いた。

…ここで外に出たら、逆に赤井さんの迷惑になるかも…
そう考えたわたしは、ドアにかけた手を外し、祈るように助手席のフロントガラスから観覧車を見つめた。

どうしよう。赤井さんにもしものことがあったら…
そればかりずっと考えていた。

すると、今度は大破した観覧車が大きく動き出した。


「う、うそでしょ…」


あろうことか観覧車は地面をゆっくりと転がって、水族館の方へ突っ込もうとしている。

わたしは慌てて車の外に出た。
ゆっくりと転がっていく観覧車に、駐車場にいた周りの人たちは悲鳴を上げたり、スマホでその様子を撮影したりしている。

まるで、地獄絵図だ。


「赤井さん…」


本当は今すぐ彼のところに走って行きたい。
けれど、この状況であそこに突っ込んでいくのは、100%邪魔になる。

大人しく信じて待つしかないこの状況に、わたしは悔しくて怖くて、涙をボロボロ溢しながら、祈るように観覧車の方を見ていた。


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