第18章 Call my name

赤井side


次の日


「あ。おはよ！赤井さん」


朝、洗面台で身支度をしていると、サラが後から入ってきて、笑顔でそう言った。

呼び方はまた、赤井さん　に戻っていた。


「…呼び方、戻したのか？」


濡れた顔をタオルで拭きながら、そう聞いた。
少し残念だと思っている顔を、見られたくなかったから。


「秀一呼びは昨日限定。」

「…どうして？」


俺が拗ねながらそう言うと、サラはにこっと笑いながら、俺の頬についた拭き残しの雫を指で拭う。


「赤井さんって呼ぶ方が、赤井さんらしくて好きなの。」


その笑顔が可愛くて、俺はサラに翻弄されてばかりいるのが途端に悔しくなった。
そして俺は、サラを一撃でノックアウトする殺し文句を思いついた。


「…まぁいいか。
いずれ、嫌でも下の名前で呼ぶようになるしな。
今のうちに赤井さんと呼んでおけ」

「え？どういうこと？」


意味がわからない。と首を傾げるサラに、俺は笑って言う。


「お前も、赤井さんになる予定だからな」

「！？」

「顔、真っ赤」


形勢逆転、だな。



__
next chapter...