【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第3章 甘い罠 ☆
「あ!昴さんたち来た!」
観覧車から降りると、子供達は先に降りていて出口で待っていた。
「お待たせ」
「あれえ?お姉さん、顔赤いよ?」
「えっ?!あ、観覧車の中暑くって!」
苦し紛れの言い訳をしていると、少し離れたところで元太くんが叫んだ。
「あああー!!あれ!!あれ、仮面ヤイバーの限定フィギュアだぜ!!」
元太くんの指の刺す方を見ると、射的ゲームの景品の中に仮面ヤイバーのフィギュアとやらが飾ってある。
「えー!!歩美もほしい!」
「でも、さすがにこれは…この的全部当てないといけないみたいですし…」
「昴さん!取ってくれよ!」
元太くんが沖矢さんに縋ると、沖矢さんはやれやれ。と言いながら、店員さんにお金を払った。
「10発全部当てたら一等賞ですー!」
「ホォー。10発で良いんだな」
パン
パン パン パン
パンッ
パンパンパンパンパン
一種のうちに10発まとめて当てて、店員さんは驚きの表情で見ている。
「うわぁああ!」
「昴さんすごーーい!」
「すっげええ」
「まぐれですよ」
「ねえ、歩美のはお姉さんがとって!」
歩美ちゃんが何故かわたしにしがみつきながら言う。
「ええ?沖矢さんに取ってもらった方が確実だよ?」
「いいの!お願い!」
仕方ない。
店員さんにお金を払い、銃を構えた。
10発…全部当てちゃっていいんだよね?
パン
パン パン パン
パンッ
パンパンパンパンパン
「命中」
まさかの展開に、店員さんは開いた口が塞がらないようだ。
久しぶりに撃つ弾は、オモチャだけどやっぱり楽しい。
「お姉さんすごい!!!!女スパイみたい!」
この子まさか知ってるんじゃないでしょうね。
そう思ってしまうぐらいのドンピシャな表現で歩美ちゃんは嬉しそうにジャンプした。
その様子を見ていた沖矢さんは、
「…ホォー。では、光彦くんの分も取ってあげよう。
2回分、お願いします」
そう言って、何故か2回分のお金を払い弾を20発もらって照準を合わせた。