【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第18章 Call my name
子どもたちは「わー!」と歓声を上げ、中でも哀ちゃんは真っ赤にしている。
どうやら、哀ちゃんがこの人の大ファンというのは本当らしい。
近づいてきた比護さんと目が合うと、わたしは彼にぺこっとお辞儀をしながら言う。
「あ、その節はどうも…」
「いや、まさかこんな所で会えるなんて。
あの時大丈夫だった?」
「おかげさまで、弁償せずに済みました…。」
「良かった。」
比護さんはそう言って笑った。
哀ちゃんはこちらを、どういう関係よ!?という目で見てくる。
そして沖矢さんもわたしをじっと見ながらどうしてこの男と知り合いなんだ?と言う目で見てくる。
だから、わたしに3万くれただけの人なんだって!
と心の中でツッコミを入れた時、はっと思い出した。
「あ!お釣り!」
わたしはそう言って、財布からきっちりお釣りを取り出し、ついでに貰った連絡先と一緒に比護さんに返した。
「きっちりしてるね。」
そう言って比護さんは、お釣りだけ受け取って、連絡先の書いた紙だけわたしの手のひらに残った。
「連絡先渡して、返されたの初めてだ」
そう言って笑う比護さんを見て、哀ちゃんが目を点にしたまま涙目になっている。
そして沖矢さんは明らかにさっきまでの穏やかな目と違い、比護さんをじろ…と睨む。
「えー!えー!えー!
サラお姉さん!
比護さんと知り合いなの?」
「知り合いっていうか…こないだたまたま…」
「いいのかよー。昴さん。取られちまうぞ」
元太くんがそう言うから慌てて沖矢さんの方を見ると、沖矢さんが笑いながら言う。
「ははは。元太くん。面白いことを言うね」
全然目が笑っていなくて、声のトーンもいつもより低い。
コナンくんは沖矢さんのその様子にたじたじだ。
「比護くーん」
比護さんとそんな風に話をしていると、向こうから、撮影のスタッフらしき人が近づいて来た。