【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第3章 甘い罠 ☆
到着してから、子供たちは大はしゃぎで次から次へとアトラクションに並んでいくのに振り回され、ご飯も食べずにアトラクション三昧。
「疲れた…」
ようやく観覧車でゆっくり座ったところだ。
子供達は一つ前のゴンドラに乗って、
定員オーバーだったわたしと沖矢さんはその後のゴンドラに一緒に乗った。
「おつかれ」
「いつもこんなことしてるの?あか…沖矢さん」
「まあ、たまに」
「大変ね。」
「そうでもないさ。」
ゴンドラがゆっくりと上がっていく。
外を見ると絶景だった。
「でも、わたし遊園地に来たの初めてだったから、ちょっと楽しいかも」
そう言って笑うと、沖矢さんは少し意地悪そうな顔をして言った。
「"悪い男"には、連れてきてもらわなかったんですか?」
「彼とは、夜しか会わなかったから」
そう言うと沖矢さんは突然立ち上がり、ゴンドラがガタンと揺れた。
「なに??」
沖矢さんはわたしの隣に腰掛けてわたしの腰に手を添えた。
「嫉妬させた君が悪い」
そう言いながら、わたしの顎をクイッと上にあげて
そのままわたしの唇をキスで塞いだ。
嫉妬??
キスをされながら、頭の中は、はてなでいっぱいだ。
10秒ほど口付けて、ゆっくりと離すと
沖矢さんの開かれた瞳と目が合った。
とくんっと心臓が跳ねる音がして、パッと目を逸らしてしまう。
「か、からかわないで。」
「からかってなんていませんよ。」
そう言いながら沖矢さんはまた唇を重ねる。
柔らかくて少し温かい唇が、わたしの唇を啄んで
隙間から舌が口内に侵入した。
「んッ……」
沖矢さんの舌が動くたび、くちゅ…と水音が響いて
どくん、どくんとわたしの心臓も速くなる。
頭が真っ白になりそうで、動く舌に必死に自分の舌を絡めていると、ゴンドラの中に音楽が鳴り響いた。
ピロピロリン
もうすぐ地上だよ
ビクッとその音に身体が反応して、
わたしは慌てて沖矢さんから身体を離した。
「続きはまた今度ということで」
そう言って、タコみたいに真っ赤になったわたしの頭をぽんぽんと撫でて、沖矢さんはゴンドラを出て行った。