【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第16章 花束 ☆
赤井side
思った以上に仕事が押して、家に着いたのは気付けば18時を回っていた。
そう言えばサラの体調はどうだろう。
もしかして、まだ寝ていたりしないか。
そう思いながら玄関のドアを開けると、リビングのドアが中途半端に開いていた。
どうやら、まだ寝ているということは無いようだ。
静かだから、買い物にでも行ってるんだろう。
そう思いリビングに入ると、ソファーの上に買い物袋が置いてある。
それも中身が入っている。
何だ。買い物はもう済んだのか。
そう思ってふと机の上を見ると、見慣れない箱があった。
「何だ…」
それを手に取り、パッケージを見ると、妊娠検査薬 と言う文字が目に飛び込んできた。
「妊…娠……」
まさかの単語に、俺は思わず手に取った箱を落とすと、中から妊娠検査薬が一本、袋に入った状態で出てきた。
2本入りと書いてあるということは、一本使ったのか…?
思わず買い物袋を逆さにして中身をソファーにぶち撒けると、中身はすだち、うどん、ポン酢、そしてグレープフルーツ3つ…
更に今朝のサラの様子を思い出してみる。
確か、昼過ぎまで寝たくせにまだ眠いと言い、頭痛もすると言っていたな…
あらゆる仮説を立てたが、もうこれしか考えられない。
サラに俺の子供が出来た…?
待て。いつの子だ…昨日…なわけないし、…あれはちょうど半月前だったか…いや。確か外に……いや、可能性は十分あり得る。
何度か、中に出したこともあったしな…
サラは、産みたいんだろうか。
けれど、俺もサラも世間的には死んだ人間だ。入籍も出来ないし、どうするか…
まあ最悪、事実婚という形で何とかなるか。
それよりも、出産するとなったらさすがに通院は必要だ。サラの保険証の発行を早めてもらわないと。
複雑に絡み合う問題を頭の中で整理していると、それよりもまず、サラに伝えるべき事を伝えなければ。
そう思い、俺は家を飛び出した。