【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第13章 ベイビー・アイラブユー ☆
赤井side
プールに行った日、帰ってきてからサラの様子がおかしい。
安室くんに何かされたのか?と聞いても、何も無いよと笑って言う。
けれど、俺が触れようとするとあからさまな程避けてくる。
サラはいつも、肝心なことは話してくれない。
思えば、サラの過去の話はまだ知らないし、今あいつが何を考えているのか検討もつかない。
少し前にジョディに言われた言葉が脳内で再生された。
「彼女は、何故諜報員なんてやっていたのか、どうして突然離脱したのか。知っているの?」
サラがいつか話してくれるまで待とう。そう思ってもうどれぐらい時間が過ぎただろう。
未だなにも話してくれないのは、俺に気を許しきれてない証拠だろうか。
朝食を食べながら、サラの方を見てみると、半分も食べていない。
わかりやすいな…お前は本当に。
「体調でも悪いのか?」
そう聞くと、サラは笑って
「ううん、美味しい」
と答えて、無理にパンを口に運ぶ。
俺は、サラに無理をさせているのか。
そう思うと、自分自身に苛立ちを覚え、俺は思わずサラに言わなくて良い事を口走った。
「お前は、いつになったら俺のことを信用してくれるんだろうな」
思わずそう言って、しまった。と思いサラの方を見ると、しゅんとした顔で俯いた。
そんな顔、させたい訳じゃない。
俺には何でも話して欲しい。
そんなんじゃ、いざと言う時に守ってやれない。
そう言うと、きっとサラは 守られるような女の子じゃ無い って言い返してくるんだろう。
けれど俺にとっては世界で一番守りたい女なんだよ。
「…ごめん。もうバイトの時間だ。
残りは帰ってきてから食べるね。」
サラはそう言ってラップをすると、安室くんがいるバイト先のポアロに出かける準備を始めた。
外は雨が降っている。
車で送って行ってやるべきか。
そう思って車のキーを取ると、サラはこちらを見ずに言った。
「いい。傘さして歩いて行くから」
送り迎えさえ、させてくれないのか。
俺から、また長いため息が漏れた。