【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第9章 本能☆
愛しくてサラを抱き寄せ、腕を枕にして寝かせると、サラはしゅんとして言う。
「わたしもぎゅって返したいんだけど…今力が入らなくって」
「気にするな」
サラの髪を撫で、おでこにキスをすると、咄嗟に目を瞑るサラが愛しい。
「赤井さん、全部受け止めるから…何でも言ってね」
「何でも…」
「うん」
そうだな。俺の中で何度考えたところで答えは出るはずもない。
ここは思い切ってサラにダイレクトに聞いてみることにした。
「…安室くんのこと、どう思っている?」
「え?安室さん??
そうだ…安室さん夢に出てきたの」
安室という名前を聞いて、夢に出てきたことを思い出したサラは楽しそうに言った。
俺は知らないフリをするのに必死で、いつもよりも声のトーンが高くなった気がした。
「ほ、ホォー。どんな夢だったんだ?」
「んーと、安室さんがたくさんスイーツを魔法で出してくれて、最後には口に入らないほどおっきいエクレアを食べさせてくれたの!」
一瞬、サラが何を言ったか到底理解ができず、思わず素で聞き返す。
「…は?」
「それで、甘いモノが好きなんですね。って言われたから、すきーって答えたところぐらいで夢が終わって…変な夢でしょ?」
「……」
なんてオチだ。
完全に俺の勘違いか。
何だそのふざけた夢は。
あの悶々とした時間は一体何だったんだ。
いや、でもむしろ良かったと言えば良かったか。
種明かしをされ、どっと力が抜ける。
「あれ?赤井さんなんでそんな疲れた顔してるの?」
「いや、もういい。寝よう」
「え?なに?それで、安室さんが何だったの?」
「おやすみ」
「ええー!?」
サラは力の入らない手で必死に俺を揺さぶるが、俺が勘違いしていた内容など言えるはずもなく、俺は目を閉じて寝たふりをした。
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