【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第77章 枯れない花 ☆
赤井side
ジョディとしばらく通話して、数分が過ぎた頃
「あ、キャメルが来てくれたわ。
悪かったわね、助かったわ。ありがとう、秀」
「お安い御用さ。気をつけろよ」
ピッ
ジョディの無事を確認して一安心しながら電話を切ると、待たせていたサラの方を向いた。
「悪い、待たせた」
そう言いながら、さっきの雰囲気を取り戻そうとサラの髪を撫でると、サラは少し拗ねたような顔して、その表情とは真逆の提案を繰り出す。
「ジョディさんのこと、心配なら行ってあげて?」
「いや。ジョディにはキャメルがついているし、俺は今、お前を警護している」
そう言ってサラの頬に手を寄せると、それをやんわりと拒否するかのように、そっぽを向いたサラ。
「ジョディさんと付き合ってたくせに」
サラから出たその言葉は、俺からすると「今更?」と思ったが、記憶を無くしたサラにとってはそうじゃない。
けれど何故それを気にするのか?が俺にはピンと来ない。
「…それは事実だが、それがどうした」
「…別に。わたしと付き合ってたって聞いて、特別なんだと勝手にわたしが勘違いしてただけ」
そう言うとサラはむすっと膨れっ面のまま寝室を出て行こうとするので、思わず腕を掴んでそれを止めた。
「何を怒っている」
「怒ってないもん。…怒ってない」
「…怒っているじゃないか」
「わたしにこんなに優しくしてくれるのも、守ってくれるのも、たくさんいた歴代彼女のうちの1人だからってことなんだよね?
偶然、彼女リストの1番最後にいたからなんでしょ?」
そんなことを、今にも泣きそうな顔して言うサラ。
しかしますます意図がわからずに、困惑する俺はサラの髪を撫でながら問いかける。
「サラ。何をそんなに」
「だって嫌なんだもん!」
「?」
「わかんない…何でこんなに怒ってるのか。
でも嫌なの…赤井さんがジョディさんと付き合ってたとか、任務で知り合った人と付き合ってて今も忘れてないとか、金髪美女の元カノがいるとか、そんな話聞いたら、モヤモヤして…
あぁ、わたしってただの彼女なんだって。きっとこのまま記憶が戻らなければ、まだ別の新しい彼女の方行っちゃうんだって…」