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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第73章 アイラブユーを探してる




入院生活が長かったせいで、家に帰るのは随分久しぶりに感じた。

それにしても、本当にあの男性と今日から一緒に住むのだろうか。
いくらわたしが例の組織狙われているとはいえ、さらに彼がゲイだからとは言え、見ず知らずの男と一つ屋根の下なんて大丈夫?!

なんて、未だ腑に落ちてないわたし。
とりあえず手を洗うために洗面所に移動した。

パシャパシャ…と音を立て、何気なく鏡を見たときにふと目に入ったもの。
それは、並んだ2本の歯ブラシだった。


「あれ…歯ブラシ、何で2本あるんだろ…」


この家は、わたししか住んでいないはず。
なのに、まるで2人住んでいるかのような歯ブラシの並び方に違和感を覚えた。


「…酔っ払ってて2本用意した…とか?」


その場でしばらく考えたけれど、理由は全く検討がつかず、首を傾げながらも洗面所を後にした。

LDKに戻ると赤井さんが


「コーヒーでも飲むか」


そう言ってキッチンに立ち、コーヒーカップを二つ準備してドリップコーヒーを淹れ始めた。

その行動にも、一つの違和感を覚える。


「どうして、カップの場所もコーヒーの場所もわかったの?」


まるでこの家に初めてきた人とは思えないほど、あまりにも自然なその行動に疑問を呈したけれど、赤井さんは少し考えたあと、誤魔化すように言った。


「…勘かな」


勘って。なにそれ…
そんなことある?

俄には信じがたい違和感の数々に戸惑いながらも、長いこと家を空けたから疲れているのかもしれない。

混乱に無理やり蓋をするようにして、わたしは赤井さんが淹れてくれたコーヒーを飲み干した。

それでも頭にモヤがかかったような気がするのは

なぜ?



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